「インプラントに関連する形態学」
新日比谷木下歯科クリニック 院長/一般社団法人東京形成歯科研究会 木下 三博 先生
研究会所属以来、スタディモデルを用いてインプラント周囲の骨や歯肉の形態変化を客観的に評価する retrospective な研究発表を行ってきた。現在はインプラント上部構造の形態について模索している。そのための布石として第 43・44 回日本口腔インプラント学会学術大会において「Contour 指数を用いたインプラント上部構造と天然歯との比較」・「インプラント上部構造と食物停滞に関する流体力学的察」の発表を行った。学会発表済の内容から模索中の上部構造形態について述べさせて頂きます。
「自分の臨床を振り返り、全顎的インプラント治療を再考する。 」
医療法人愛和会/一般社団法人東京形成歯科研究会 増木 英郎 先生
初めてインプラントを患者さんに埋入したのが平成 7 年 10 月。あれから 20 年経ったわけですがまだまだ未熟で経験も十分ではない私ではあり、諸先輩方を前に発表出来るレベルではありません。自分の学生時代はなんとなく噂で人工歯根というものの話は聞いていましたが授業でも取り上げられるわけではないし、出身が北海道の田舎大学でもあったので周りからの情報は少なく、インプラントとは自分とかけ離れた分野でした。そんな私が卒後数年しか経っていないころに完全独学でのめり込んでいったのです。
当初は断層撮影 CT は一般的ではなくオルソパントを頼りにインプラントの埋入方向、長さ、太さを決めて埋入していました。当初はあまり難症例には挑んでいませんでしたが自信が持てない症例は医科にお願いして CT を撮影させてもらっていました。もちろん 3D などという機能はない頃です。
近年はデンタルデジタル CT の普及には目覚しいものを感じます。それに伴いマクロ解剖の新たな見知とコンピュータ、インターネットの知識が要求されます。そして私の症例も CT なしでは行えない症例へと変わり、オステオトームテクニック、GBR、サイナスリフト、上顎結節、上顎洞前壁、口蓋骨への傾斜埋入、 今回は自分のつたない症例を振り返りながら全顎的症例を中心に自分の中で反省点をのべさせていただきながら 20 年間の自分のインプラント臨床を振り返りたいと思います。 これからインプラント治療の世界に入っていかれる先生方の参考になれば幸いと存じます。
北海道大学歯学部卒
クラウンブリッジ教室にて研鑽(第 2 補綴科)
のちに同大学歯周病教室にて学位取得 歯学博士
ICOI diplomate、
ISBB 認定医
日本口腔 implant 学会専門医
筒井塾、日本歯科補綴学会、日本歯周病学会、日本歯科感染症学会
日本歯科東洋医学会、日本ホメオパシー医学会、日本顎咬合学会
日本口腔インプラント学会、国際インプラント学会、ISBB
「オールオン4の適用症例と実際」
九州歯科大学 歯学部長 口腔再建リハビリテーション学分野教授 細川 隆司 先生
現在、多くのインプラントシステムが開発、市販されているが、どれも同じように見えて、実は、そうではない。いわゆるリスクマネージメントという観点から見て、無歯顎のインプラント治療においては、システムの特性を知っていなければ、大きな問題を抱え込む危険性がある。本講義では、オールオン4コンセプトに基づいた無歯顎インプラント治療のリスクとベネフィットを論じるとともに、これまであまり語られることの無かったインプラントシステム毎の特性、とくにノーベルバイオケアタイプのインプラントとストローマンタイプのインプラントの違いについても論じてみたい。
細川隆司(ほそかわ・りゅうじ)
九州歯科大学 歯学部長
口腔再建リハビリテーション学分野教授
附属病院口腔インプラントセンター長
日本補綴歯科学会指導医・日本口腔インプラント学会指導医