【認定講習会および研修会】第2回 平成30年5月27日開催
2023/11/09
平成30年度 第2回 一般社団法人東京形成歯科研究会 主催 公益社団法人日本口腔インプラント学会 認定「講習会」開催のご案内
日々苛酷な歯科診療に対峙をされての皆様のご尽力には、心より敬意を申し上げます。先生方の学術スキルの向上はもとより診療所の安定経営に向けて、精一杯、当研究会としても個人的にも、粉骨砕身の覚悟で精進させていただきます。総会も終了し新年度がスタートし、今年のマニフェストと申しますか、例年通りおびただしい数の事業を貫徹するつもりですが、それに加えて会員の診療所開設・運営に関わる情報や相談、そしてスタッフ教育及び人事(歯科医師・衛生士等)紹介について、施設長のネットワークからできる限りの提供を考えておりますので、何なりとご意見をお願いいたします。また、今回の定例研修会では、新潟大学・川瀬先生による実験・研究・論文に関わるガイダンスがございますので是非注視してください。午後の講演の宮崎隆先生は日本口腔イプラント学会の新理事長候補として切望されており、日ごろから私どもの会に宮崎先生よりご指導を賜っております。午前中の講演ですが、新進気鋭の児玉利朗先生は九州インプラント研究会で開業医として研鑽を積まれており、近年主要学門である歯周病学の教授に赴任されています。しかし、川瀬先生からのご教示の通り、再生学・生態学の基礎的研究及び研鑽が必要です。よって、断片的な歯周処置では、その責務を果たすことが出来ませんので、その事からも真の歯周病学発展に向けて助言をお願いしたいところです。
施設長 奥寺 元
講演
- 「インプラント周囲炎の対応と予防」
- 神奈川歯科大学大学院歯学研究科高度先進口腔医学講座 インプラント・歯周病分野 教授 児玉利朗
- 「論文 テーマ設定と書き方/2018 年度 新潟大学-東京形成歯科研究会 共同研究プロジェクト 通年総合ガイダンス」
- 新潟大学大学院医歯学総合研究科顎顔面再建学講座歯科薬理学分野 准教授 川瀬知之
- 「インプラント材料学」
- 昭和大学歯学部 教授(歯科理工学講座)/昭和大学 副学長 宮崎 隆
開催概要
- 日時
- 平成 30年 5月 27日(日)
- タイムスケジュール
-
- 9:00 ~講義 「奥寺 元」
- 10:00 ~ 講義 「児玉利朗」
- 12:30 ~ 講義「川瀬知之」※ランチョン形式(弁当)
- 13:30 ~ 講義 「宮崎 隆」
- 場 所/会 場
- オクデラメディカルインスティテュート セミナー室(5F)
※当日は、「4F・王子フィットネス&ジム」までお越しください。5F セミナー室へは 4F を経由して頂きます。
住所:〒114-0002 東京都北区王子 2-26-2 ウェルネスオクデラビルズ
TEL:03-3919-5111 / FAX:03-3919-5114 ※当日の連絡先 TEL:03-3912-9275 - 受講料
- ○(一社)東京形成歯科研究会主催 JSOI 認定「 講習会 」受講生:無料
※2018 年度(一社)東京形成歯科研究会主催 JSOI 認定講習会 受講料に含まれる。
○(一社)東京形成歯科研究会会員:無料
※2018 年度(一社)東京形成歯科研究会年会費に含まれる。
○ 一般参加者(受講希望者):25,000 円 - 振込先
- 銀行名:みずほ銀行
支店名:王子支店(店番号 557)
口座種類:普通預金
口座番号:1517592
口座名義:シヤ)トウキヨウケイセイシカケンキユウカイ 一般社団法人東京形成歯科研究会 代表理事 奥寺元
※「振込手数料」は参加者様にてご負担をお願い致します。※お振込の際に発行される「振込明細」を領収書と致します。 - 振込期日
- 2018年 5月 23日(水)
- お申し込み方法
- 別紙「参加申込書」に必要事項をご記入の上、FAXまたはE-mailにてお送り下さい。
FAX:03-3919-5114
E‐mail:okudera@carrot.ocn.ne.jp
[お問合せ]
東京形成歯科研究会 事務局 担当:押田浩文
〒114‐0002
東京都北区王子2‐26‐2 ウェルネスオクデラビルズ3F オクデラメディカル内
TEL:03‐3919‐5111
FAX:03‐3919‐5114
E‐mail:okudera@carrot.ocn.ne.jp - 参加申込締切日
- 2018 年 5月 21日(月)12:00(正午)
講演内容
○午前の部
「インプラント周囲炎の対応と予防」
神奈川歯科大学大学院歯学研究科高度先進口腔医学講座 インプラント・歯周病分野 教授 児玉利朗
インプラント周囲炎はインプラント治療後の合併症で最も大きな割合を占めていることが報告されている。インプラント周囲炎の特徴は、周囲組織の発赤・腫脹・出血・排膿・歯槽骨吸収である。本態は細菌感染による炎症性病変であり、さらにオーバーロード等の要因も加わり進行するものと考えられる。しかしながら、インプラント周囲炎が発生した場合、それに対応するマニュアル化された対処法として累積的防御療法(CIST)が提唱さているが、現状としては十分な治療法が確立されているわけではない。もちろん炎症性病変であることから細菌感染に対する殺菌もしくは抗菌療法とともにオーバーロードの管理が実施され、その後の再評価により外科的療法の適否を判断することが重要と考えられる。また、外科的療法の選択には、術前の抗菌、角化粘膜の存在、インプラント表面のデブライドメント法、骨欠損形態などの要因を把握した上で実施されなければ、外科治療の効果は確保されない。以上の背景から、インプラント周囲の炎症性疾患の防止には、定期的なサポーティブセラピーに基づいた、臨床パラメータ―のモニタリングならび炎症性疾患の早期発見が最も合理的であると考えられる。
本講演では、インプラント周囲疾患に対する対応と予防の考え方について、症例を交えながら検討ならびに考察する予定である。
参考文献 和泉雄一、児玉利朗、松井孝道編著:新インプラント周囲炎へのアプローチ、永末書店、東京、2010 年
【略歴・所属】
1983年 神奈川歯科大学歯学部卒業
1984年 神奈川歯科大学歯周病学講座助手
1997年 神奈川歯科大学歯周病学講座退職 鹿児島市にて児玉歯科クリニックを開業
2006年 鹿児島大学歯学部非常勤講(2009 年 3 月まで)(2011 年 4 月~2014 年 3 月まで)
2013年 神奈川歯科大学客員教授
2014年4月神奈川歯科大学大学院歯学研究科 高度先進口腔医学講座 インプラント・歯周病学分野教授就任
現在 歯学博士 歯周病専門医、日本歯周病学会理事・指導医
日本口腔インプラント学会専門医・指導医
九州インプラント研究会会員
ITI フェロー(International Team for Implantology)
神奈川歯科大学附属横浜研修センター・横浜クリニック副院長
神奈川歯科大学大学院歯学研究科 高度先進口腔医学講座 インプラント・歯周病学分野教授
○午後の部
「2018 年度 新潟大学-東京形成歯科研究会 共同研究プロジェクト 通年総合ガイダンス」
新潟大学大学院医歯学総合研究科顎顔面再建学講座歯科薬理学分野 准教授 川瀬知之
おかげさまで、東京形成と新潟大の共同研究は足かけ 4 年目を迎える。その間、何度も紆余曲折があったことはあえて否定しない。しかし、奥寺施設長や古谷田会長はじめ理事の先生方の理解と第一期から継続して受講する先生や科学的好奇心の旺盛な先生方からの熱烈な支持を受けて、研修会もようやく形なってきたし、ここまで続けることができた。
昨年度のガイダンスでは、スマホを使ったリアルタイムのアンケートを取りながら話を進めた。そこで得た参加者のニーズは、①できれば将来指導医を取りたい、②そのためには論文が必要だがアカデミアとのコネはない、③研究するとしたら基礎より臨床研究をしたい、などに要約できる。
このような課題に対する、もっとも現実的かつ確実な解決策は、在京の私立大学に社会人大学院生として入学し博士号を取ることであろう。しかし、同時に、相当の時間と労力と資金力が求められることは覚悟する必要がある。
当該共同研究は、大義はともかく、そのようなニーズの受け皿という側面もある。ただ、パワハラやセクハラと同様に、「共著者の要件」についても、研究倫理のひとつとして、世界的に年々厳格化が求められるようになっていることを忘れてはいけない。まちがっても、「共著者の権利をカネで買う」とか、「論文を外注する」などという認識を持ったら、即、アウトである。これは何度でも繰り返して注意喚起しないといけない、そんな時代なのだ。
公約として、最低でも年 2 報国際的なジャーナルに論文を発表することを掲げている手前、研究は基礎的なもの、しかも短期間で答えが見いだせるようなテーマに絞らざるを得ないが、できるだけ臨床的な興味を引くようなものと心がけている。
参加者の間には科学的センスや理解度に差があることも承知している。しかし、明確な目的をもって参加する先生はいつでもウエルカムだ。目的の如何に関わらず、万障繰り合わせて研修会に参加する姿勢やメールでのディスカッションに絡んでいこうとする熱意にこそ意義があるということを最後に付け加えておく。
新潟大学-東京形成歯科研究会 共同研究の趣旨・目標
【大局的見地】
① 血液生体材料の歯科再生医療への使用の科学的根拠を与える
② 臨学への連携,医学界への貢献
【東京形成歯科研究会】
① JSOI 指定研修施設活動の一環
② 学術的事業を論文として残す③ 会員一人ひとりの学術的スキルを向上させる
④ JSOI 認定医(指導医・専門医)資格取得時要件の充足
指導医資格取得条件のひとつ(指定ジャーナルに論文 6 報、うち筆頭 3 報)
【新潟大・川瀬】
① 臨床のニーズを汲み取り,解明して戻すことで臨床の発展に貢献
② 学外組織との共同研究の実施実績によるレンタルラボの確保
【略歴・所属】
- 1985
- 新潟大学歯学部卒業
- 1986-1993
- 新潟大学歯学部助手
- 1990
- 博士(歯学)授与 (新潟大学)
- 1991-1993
- Postdoctoral fellow (University of Miami, FL, USA)
- 1993-1993
- 新潟大学歯学部講師
- 1994-date
- 新潟大学歯学部助教授 (2002 年より准教授)
- 1997-1998
- Visiting Associate Professor
(University of Kansas, KS, USA) - 2012-date
- 日本歯科大学新潟生命歯学部客員教授
新潟大学大学院医歯学総合研究科
顎顔面再建学講座 歯科薬理学分野 准教授
日本歯科大学新潟生命歯学部 客員教授
研究テーマ
インプラント治療における動揺度・安定度に関する研究
インプラント治療における咀嚼機能検査に関する研究
「インプラント材料学」
昭和大学歯学部 教授(歯科理工学講座)/昭和大学 副学長 宮崎 隆
インプラント治療では生体内に本来異物である装置を埋入して共存させるので、インプラントの生体適合性が必要になる。とりわけインプラント歯科治療では顎骨に埋入するので臨床的にオセオインテグレーションを獲得することが望ましいと考えられている。講義では材料学からみたオセオインテグレーションについて解説する。また、上部構造作製を含めてインプラント治療に応用されるデジタル技術と新しい材料の特徴について解説する。
【略歴・所属】
- 1978 年 3 月
- 東京医科歯科大学歯学部卒業
- 1984 年 3 月
- 東京医科歯科大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
- 1991 年 10 月
- 昭和大学歯学部教授(歯科理工学講座) 現在に至る
- 2003 年 4 月
- 昭和大学歯学部長 現在に至る
- 2016 年 9 月
- 昭和大学副学長 現在に至る
学会活動:
一般社団法人 日本歯学系学会協議会 理事長
公益社団法人 日本口腔インプラント学会 常務理事
一般社団法人 国際歯科学士会日本部会 副会長(次期会長)