第 49 回公益社団法人日本口腔インプラント学会学術大会「口頭発表」 演者“再募集”

      2023/11/07

先般来ご案内しておりますが、下記 4 つの演題につきまして、演者を再度募集いたします。2019 年 9 月 20 日~22 日に開催される第 49 回(公社)日本口腔インプラント学会学術大会へ、東京形成歯科研究会より口頭発表(下記〔演題候補〕)の演題登録を予定しております。演題№1 及び№2 につきましては「共同演者」を、演題№3 及び№4 につきましては(応募が少ない状況です)「主演者」「共同演者」を、再度募集いたします。複数の演題への演者エントリーが可能です。是非、演者へのエントリーをご検討下さい。ご不明な点があれば、事務局までご一報願います。

 

〔演題候補〕
No.1 共同研究 新潟大学×東京形成歯科研究会
[テーマ] チェアーサイドで調整可能なヒト多血小板フィブリン-多孔質コラーゲン様タンパク顆粒複合体によるマウス頭蓋骨再生(仮題)
(概要) Ⅰ目的: Platelet-rich fibrin (PRF)は口腔再生治療に広く応用されているが, 2 つの大きな問題に直面している.ひとつは世界的な医療機器メーカーがそろってガラス採血管の製造販売を中止したために入手困難なことであり,もうひとつは PRF 自体が骨再生において高い予知性を得られていないということである.これらの課題を解決するために,本研究において,われわれは RGD 配列を高密度に含むヒトコラーゲン I 様の人工タンパクを素材とする多孔質顆粒(FBG: 富士フイルム)の有用性を検討した.
Ⅱ材料および方法: 非喫煙の健康な男性ドナーから採取した血液を FBG を含むプラスチック採血管に移し Medifuge で遠心した.調製された PRF について, PDGF-BB レベルを ELISA で,また細胞増殖活性を骨芽細胞培養系で評価した.骨再生活性はヌードマウスの頭蓋骨欠損モデルへの移植実験にて評価した.
Ⅲ結果: FBG はプラスチック採血管内に PRF 様のフィブリンマトリックスを形成したが,その微細構造はガラス採血管で調製した PRF のものと同等であった. PDGF-BB レベルと増殖活性は FBG 顆粒によって低下することはなかった.骨再生活性については, PRF 単独では有意なことかが認められなかったが, FBG と複合化することによって相乗効果が認められた. Ⅳ考察および結論: 以上の結果より, FBG の全血への添加は,既定の遠心時間内での血液凝固が困難といわれるプラスチック管でのPRF 調製を可能とするだけでなく,骨再生においても再現性のあるポジティブな結果をもたらした.PRF-FBG 複合体は有望な骨補填材として臨床での応用が期待される.
No.2 共同研究 新潟大学×東京形成歯科研究会
[テーマ] ウシ胎児血清の代替品としての多血小板フィブリン抽出物: 細胞治療用骨膜シートの高品質化と調製期間の短縮化(仮題)
(概要) Ⅰ目的: 2004 年に,われわれは自家培養骨膜シートを開発し歯周骨再生治療への応用を開始し現在に至る.本治療法は有害事象や合併症を引き起こすこともなく,従来の再生療法に比べてより強力に骨再生促すことが確認されている.しかし, 6 週間という比較的長期間の培養を必要とすることがネックとなっている.本研究では,培養期間の短縮を目的として,ウシ胎児血清(FBS)の代替としてヒト多血小板フィブリン抽出物(PRFext)を応用した培養法の有効性を検証した.
Ⅱ材料および方法: 同意のもと埋伏知歯抜歯患者から知歯周辺の骨膜を採取して,改変幹細胞培養液(MSC-PCM)にヒト PRFextを 2%添加した培地で 4 週間培養した.増殖速度,細胞重層化,アルカリ性ホスファターゼ(ALP)活性,表面抗原(CD73, CD90, CD105)の発現に関して,従来の培地(Medium199+10%FBS)で 4-6 週間培養した骨膜シートと比較評価した.
Ⅲ結果: MSC-PCM+2%PRFext で培養した場合,骨膜シートは細胞遊走後から急速に増殖を促され 4 週間で従来法に匹敵する直径に達した.また細胞の重層化も著しく発達した.一方, ALP 活性や細胞形態から判断すると,骨芽細胞系としては比較的分化度の表現型を示した. Ⅳ考察および結論: 以上の結果から, PRFext を FBS の代替として添加した幹細胞培地は,目的とした培養期間の短縮を達成することが確認された.また,異種動物由来の成分を排除することによって安全性のうえでの品質向上に貢献できた.調製時の細胞分化度が低いということは必ずしも移植後の骨形成活性にネガティブな影響を与えるものではないことを考慮すると, MSC-PCM 培地とともに PRFext は骨膜シート治療の普及において大きな役割が期待される.
No.3 共同研究 東京形成歯科研究会×株式会社 NRL ファーマ
[テーマ] 骨質関連生化学マーカーNTX とサプリメント(ラクトフェリン)の有意差検定
(概要) Ⅰ目的: 私どもはインプラント周囲炎症例と長期成功例を比較した際,「骨代謝マーカーや架橋構造マーカーに差は見られるのか?」と言うテーマで検証を進めた結果、骨関連マーカーの値が 3 個の異常値を示した場合,炎症を有するリスクは高くなり脱落する事を発表してきた. 近年,乳由来多機能性蛋白ラクトフェリンが免疫、抗菌活性以外に、骨形成にも関与する事が、動物実験で報告されている .そこで患者の健康調査のため血液検査を実地した記録を基に、後戻り調査をしたところ、ラクトフェリンを服用している患者の使用前と使用後の骨規定マーカーに関して興味深い結果が出たので報告する .
Ⅱ材料および方法: ラクトフェリンDカプセル(ラクトフェリン 100 ㎎含有、 NRL 社製) を1日3錠、健康増進の為に服用している患者 15 人(男6名、女 9 名、平均年齢 71.3 歳)を対象に,定期的に血液検査を行い、骨規定マーカー測定を行った。その後ろ向きデータでの解析で骨吸収マーカー(血清NTx,クレチアニン補正後の尿中 NTx,クレチアニン補正後のデオキシピリジノリン及びコラーゲンの架橋構造に関連するホモシステイン),骨形成マーカー(骨型アルカリホスファターゼ)の数値を比較検討した.測定は検査所保健科学東日本総合ラボに依頼分析した.
Ⅲ結果: ラクトフェリンを服用していなかった時期とラクトフェリン D カプセルを 1 日 3 回 3 週間服用後の骨規定マーカー数値を比較分析した結果、クレチアニン補正後の尿中 NTx において、群全体で、有意に低下していることが明らかとなった。(P<0.01)。データに男女差があるかを検定したところ、男性では有意差が認められたが、女性では同様の低下傾向を認めたが有意差は認められなかった。その他のマーカーについても、性別による数値比較を行ったが、母集団が小さいこともあり、統計的有意差は認められなかった.
Ⅳ考察および結論: 一般歯科診療において歯周病及びインプラントのケアは主に歯牙清掃を含むこ とが主体である。今回は、ラクトフェリンを服用することにより、骨吸収マーカーの一つである、尿中NTxが有意に低下することが確認できた。ラクトフェリンを日常的に服用することにより、骨の健康が維持されれば、歯周病およびインプラント歯周炎予防に寄与されるかもしれない.今後は、被験者数を増やし、骨代謝マーカー(血液・尿)測定のほか、歯周炎のある歯付近から採取した歯肉溝滲出液の炎症性サイトカイン濃度(IL-1β、 IL-6、 IL-8、 TNF-α)測定、および口腔内細菌DNA検査を行って更なる解析を進める予定である。
No.4 木下三博先生・奥寺元先生 による指導
[テーマ] Implant 埋入後における下顎舌測既存骨の形態変化(仮題)
(概要) 主旨 昨今、高年齢に伴い多くの骨代謝の変化による骨粗鬆症の発生が高くなってきている。それに伴い、インプラント埋入時の骨の質が問いされている。義歯を使用しないインプラント療法は骨の維持また咬合負荷により周囲骨の内部改善がみられると言う報告がある。今回経年的に使用している患者を対象として過去の模型と経過の模型の形態変化を求めての比較検討は顎の負荷による良好な形態維持をしているかを検討することは意義深い。
1)目的 Implant 埋入後における下顎舌測既存骨の形態変化を調査することを目的とする.
2)研究材料 Study model(同一人 sample:調査開始前後の各2個)木下式形態角度測定により分析
3)方法 GBR angle 計測法(骨再生誘導法治療後の経年的形態変化:日本口腔インプラント学会誌/21巻 3 号)に準じ,調査開始前後の骨の形態変化をその増減について比較検討する.
4)結果 既存骨は implant を埋入し機能させることにより歯の喪失状態での廃用性萎縮を減じることが考えられるが、まったくの増加の傾向は考察されないもの極端に廃用萎縮するほどの形態変化はなかった。

 


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